Like Garatea, who was a statue and now has a soul.
ギリシャ神話に登場する彫刻師ピュグマリオン
腕のいい彼はある時作った女性像に恋し人間になることを願った、
それを見た女神アフロディーテがその彫刻に生命を与え、
ガラテアという名の娘になり
ピュグマリオンと幸せに暮らしました。
Saya
フル3DCGで制作された「Saya」。
2015年、最初のコンセプトイメージを発表してから、注目と期待を集め、成長の過程を発表し続けている。
Sayaは人間にとって、もっとも認識しやすく理解するのに適した形として、人間の少女の容姿を持って現れた。 言葉や行動などを模倣することで、コミュニケーションがとれる新しい存在である事を目指している。
人間が人間を見つめ、観察、触知、体験し、そこから得たエッセンスも少しずつ再現する。 そのような人の認知に深く関わるプロセスも、Sayaを形成する重要な要素となっている。 現在は対話知能学やAISIN等の企業や研究者らを中心にマルチモーダルエージェント開発が進行中。
Kioo
daughter of mercury
プシケの原動力は狂気だ
狂気は水銀の水平線に沈んで歪み、形になる
そのノイズは社会が生まれ変わる時を物語る
私の中に溜まった水銀がカタマリとなって出てきた子。
現実を批判し、虚に生きる。
Growing History of Saya
成長する過程を見せていく形で、Sayaの旅は続いてゆく。
これ迄、ツーショットの記念撮影、手話の表現、 ノンバーバルコミュニケーションを使用したインタラクション、 案内板での補佐的立場として起用されるなどコミュニケーションに特化した形での開発に挑戦してきた。 既存の3DCG技術に加え、画像認識をはじめとするAIの活用や、大型モニタを使用した等身大での描画、 展示などを通して、彼女が果たそうとしている役割は、少しづつ明確になってきている。 そうした中、声を主体としたコミュニケーションに対する切望があがるようになってきた。 声質や話し方、話す際の所作など、人間が無意識の中で行なっている全ての事柄は、複雑さや流麗さ、 その多様性に驚きは隠せない。
時間の流れが加速したこの時代に、流される事なく愛情を込めて、 時間を費やして一つ一つの表現を実現していく事で、受け取る側も何かを受け取ってくれているようだ。
SayaがSayaらしく、人間が人間らしく存在するように。
人と人を繋ぐこと、人と物を繋ぐこと、物と物を繋ぐこと、という社会的な立ち位置は、 彼女に様々な成長をもたらしてくれるが、時として個人の希望を抑制させられる。
「みんなみたいに、たくさん友達をつくるのが、私の夢です」
そう願った彼女から発せられる些細な疑問は、人間にとってこれまで当たり前のように思ってきた事を覆し、 自分自身が何者であるのか、気づかせてくれる。